후리가나로 읽는 일본 고전
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よくそうのはなよめ
浴槽の花嫁-世界怪奇実話1
牧 逸馬
牧 逸馬의 浴槽の花嫁-世界怪奇実話1(よくそうのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,908자 · 96화면
「私は、客のない時は、切符売場式の店の窓口からボンヤリ戸外の雑沓を眺めているのが常です。すると、早目に昼飯に出た近所の売子などが、笑いさざめいて通っていましたから、かれこれ十二時でしたろう。ふと見ると、あの男が、この間の晩と同じ服装で店のすぐ前の舗道に差しかかっている。彼奴が『斬裂人のジャック』であることは各新聞も指摘し、近所の者もみなそう言いあい、私も確信していた際ですから、私は、通行の群集に混って歩いているその男を見かけると同時に、あ! あいつだ! と思いました。先方も私を覚えていたらしく、ちらとこちらを見ましたが気のせいか、それは何事か脅すような、じつに気味の悪い眼つきでした。正直に申しますと、私ははっと不意を打たれて、意気地がないようですが、あまりびっくりしてどうにも足が動きませんでした。その上、ちょうどその時私のほかに店に人がいなかったものですから、即座に店を空けて飛び出すわけにもゆかず、その間にも奴は足早に通り過ぎて行きます。気が気でありません。で、私は、すぐ後から店の前を通りかかった靴磨きの子供を低声に呼び込んで、何も言わず、ただ静かにその男の後を尾けてどこの家へはいるかそっと見届けるようにと耳打ちしました。