후리가나로 읽는 일본 고전
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
葉山 嘉樹의 海に生くる人々(うみにいくるひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 161,305자 · 321화면
霧笛は、ますます深く、人から景色を奪う霧のように、その心から光と落ち着きとを奪うのであった。
精密なる海図と羅針盤とがあるとはいえ、またそれが、めだかが湖に泳ぐような比例で海が広いとはいえ、とまれ先が見えないということは、安心のならないことであった。ことに水夫らにとっては、まるで盲人が杖をかついで、文字どおり盲滅法に走っているように思われるのであった。
西沢と波田とは、ブリッジに上がって、小倉の舵取りを見学していた。
自動車の運転手がそのハンドルを絶えず、回しているように、汽船の舵機も、前のコンパスとにらめっくらをしながら、絶えず、回され調節されていた。
一時間九ノットの速力も、この船全体をその権力の下に支配する、船長の心理に及ぼす影響は、このブリッジにのぼって、一望ただ海波であり、一船これわが配下である時に、決してのろい速力ではなかった。団扇のようなこの小さな船も彼にとっては偉大であった。ことにかく霧の濃くかけた時は、船長は、二千トンのこの船を、二万トンに拡大して見ることもできた。なぜかなれば、船全体が霧のために、漠然たる輪郭をもってぼかされ、それを想像をもって拡大するからであった。