후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あざらしとう
海豹島
久生 十蘭
久生 十蘭의 海豹島(あざらしとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,311자 · 48화면
ランプの光の中に浮きあがった狭山の顔は、悲惨きわまるものだった。狭山は壊血病にかかり、齦は紫色に腫れ、皮膚は出血斑で蔽われている。髪の毛はすっかり脱け落ちて、わずかに残った眉毛の毛根が血膿をためていた。これから推すと、膝関節にも腫脹がはじまっているのだろう。のろのろと動きまわるのがその証拠だった。
私は狭山が横着をしているのだと思い、人もなげな緩怠な態度に腹を立てていたが、誤解だったことがわかったので機嫌をなおし、
「貴様、いままでどこにいたのか」とたずねてみた。
狭山は沈鬱なようすでゆっくりと顔をあげると、唇の端をひきさげて眉の間を緊張させ、頬をピクピク痙攣らせながら、私の顔を正視したまま、頑固におし黙っている。抑鬱病患者によく見る、癲癇性不機嫌といわれるあの顔である。私はつとめて口調をやわらげて、いろいろと問いを発してみたが、なにをたずねても返事をしない。
氷と霧にとじられた荒凉寂漠たる島に、長い間たった一人で暮らしていたため、この男は物をいうすべを忘れてしまったのかもしれない。極地で孤独な生活をしていると、次第に構言能力を失うようになるということが、ウイレム・バレンツの報告書に見えている。