후리가나로 읽는 일본 고전
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しせい
消えた受賞作 直木賞編
富田 常雄
富田 常雄의 消えた受賞作 直木賞編(しせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,806자 · 36화면
彼の眼は、二度と再び離れぬ執拗さで、その立像に喰い入った。
女の歳は、彼の肉体に慣れた眼には二十歳前と写った。なんという色の白さだ。その均整のとれた肉体の線は日本人には珍らしかったが、首筋から肩と胸へ流れる線と、伸びる両腕の躍動の間に、こっちを向いた女体に藤三は息が詰った。
ゆたかに隆起した胸にまろまろと並んだ二つの乳房の、左の薄紅色の乳房に足の長い女郎蜘蛛が一匹上から逆さに止まって居る。巣は左の肩から乳房の下まで張られて居た。蜘蛛は薄紅色の乳房を二本の足で捉えて居るのだ。むっちりと、粘着する様な下腹の白い餅肌には一人の唐子がその乳房を求めて、小さな両手を差し上げて居る。童子も裸であった。こめかみの可愛いい、ちょび毛が円い頬におとぎの幻想を浮ばせ、右足は下腹の豊かに盛り上がった丘の、白壁に蝙蝠のとまった感じで黒く静まった三角形の上を踏まえて居た。滑らかに湯を浴び桜色に色づいた腿の線は流し場に群れた人の脊に区切られて見えなかった。女は浴び終ると、くるりと、脊中を向けて上り口に大股に踏み出した。脊から腰には二人の唐子が手鞠をついて遊んで居た。藤三は夢幻を追う思いで、今、彼の視野から消えた女体を、もう一度、網膜に描いた。