후리가나로 읽는 일본 고전
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からさわのいわごやのあるよのこと
涸沢の岩小屋のある夜のこと
大島 亮吉
大島 亮吉의 涸沢の岩小屋のある夜のこと(からさわのいわごやのあるよのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,010자 · 14화면
自分たちは外にでて岩に腰をかけたのだった。そしてそのときまでも黙っていたのだった。
そのときまで自分たちお互いは心のなかで、光の焦点のように各々の心の中に現われている、あるひとつの想いについて寂しい路を歩いていたのだった。ふと涸沢岳のあの脆い岩壁から岩がひとつ墜ちる音がした。カチーン……カチーン……と岩壁に二、三度打ちあたる音が、夜の沈黙のなかにひびいた。そしてそれがすんでしまうとまたもとのような言いあらわしようもないほどの静かさだった。
そのときだった、ひとりが考えにつかれたかのように、自分たちの前にひとつの問いを投げだした。――
「おい、一体山で死ぬっていうことを君たちはどうおもっている。」
自分たちはみんな同じような気持で同じことを考えていて、誰れかが話しの緒口をきるのを待遠しく思っていたかのように見えた。そこへ、この言葉が落ちてきたんだ。勿論それは反響した。全く先刻から自分たちお互いの心はお互いにこの高い山の上の、しかも暗いなかで、自分たちのなかからその大切な仲間をいつ、誰かもわからずに、失わしめようとしているこの山での不幸なゲファーレンというものについて、結局は自分たち自らさえも山で死ぬかも知れぬということについて、新しい信仰をうち建てるようにと言いなやんでいたのだった。