후리가나로 읽는 일본 고전
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りんらくのこうじょのおぼえがき
淪落の皇女の覚書
久生 十蘭
久生 十蘭의 淪落の皇女の覚書(りんらくのこうじょのおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,649자 · 56화면
その月の末、ボルシェヴィキがケレンスキー内閣を倒して政権を樹立し、チェカ(反革命取締委員会)の組織ができるころになると、ペテルブルグの様相が一変し、皇帝一族の動静などはまるっきりわからなくなってしまった。その年が暮れ、十八年の五月の中頃、ツァーがトボルスクからウラル山中のエカテリネンブルグへ転送されたとか、されるはずだとか、そんな噂がぼんやりとひろがった。百五十哩ほど文明のほうへ近くなったわけで、悪い兆候でないように思われるが、それも臆測だけで、どういう生活をしているのか、はたして生きているのか、殺されてしまったのか、その辺のところは雲をつかむようだった。
ところでこちらはたいへんな騒ぎだった。ウィリッキーがチェカの委員長になって、「旧ブゥルジョアジィの男女を下層民の墓掘りに任命す。この労働を拒否するものは銃殺」という布告が出た日から、貴族、旧大官、帝政主義者の集団屠殺がはじまり、ペテルブルグとモスクワの貴族社会は墓場に一変してしまいそうな形勢だった。頭の中にツァーの回想を忍ばせていたりすると、チェカの密偵が眼の色だけで見ぬいてしまう危ない加減の日々になり、退位した皇帝一族の思い出なぞにかかずらっていられなくなってしまった。