후리가나로 읽는 일본 고전
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りんらくのこうじょのおぼえがき
淪落の皇女の覚書
久生 十蘭
久生 十蘭의 淪落の皇女の覚書(りんらくのこうじょのおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,649자 · 56화면
知らずに窓をあけると、いきなりすごい一点射を食い、一弾はアナスタジアの頬をかすめて聖像を粉々に砕き、きっぱりとした見せしめを受けた。
食事は朝と夕方の二度。それも虫の湧いたユーコラ(乾鮭)やシエッチ(塩肉とキャベツの汁)という口にするも耐えないようなひどいものだった。近くのカルメリート派の修道院からときどき牛乳や鶏卵などを送ってくれた。それだけが人間並みの食餌だったが、監視員はひどく狷介で、そのたびに泥靴のまま食堂へ踏みこみ、「貴さまらは贅沢なものを食っている」と皿の中へ手を突っこんでこねまわし、どう工夫しても食べられないようにしてしまうのが常だった。
はじめのうち監視員は附近の工場から交代で出る気のいい労働者だったが、間もなく市の革命委員会からルトミンという男が専任になってやってくると、いままでいくらか保持されていた礼儀も規律も一挙に消えうせ、廃帝の私物を平気で攫って行ったり、意味なき苛酷な規定をつくって皇女たちの編物まで禁じてしまった。一族は五つの部屋をたがいに訪ねあうほか気のまぎらしようもない無味単調な生活の中にとじこめられ、夕食後、廃帝の部屋へ集って低い声で讃美歌やケルビンの歌を合唱することだけがただひとつの慰安になった。