일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りんらくのせいしゅん

淪落の青春

坂口 安吾

坂口 安吾의 淪落の青春(りんらくのせいしゅん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,729자 · 36화면

아오조라 문고

そういうものは衣子には全然通じないのである。衣子が見ているものは、そういうものゝもっと奥の底の方にあるらしい。

それは、こういう金と慾の原始純粋な形態にだかれて、平然とアグラをかいて一人タケノコ生活をしている衣子だから、お体裁みたいな風流談義が馬耳東風なのであろうが、貞吉も時々小憎らしい奴だと思ったり、可愛いゝ奴めと思うこともあった。

彼はビルマのジャングルとそれからの捕虜生活に、実は文明ということを全く忘れた物思いに耽っていた。つまり彼はあのサルウィン河のほとりのビルマの娘と一緒になって、本当に原始さながらの土民生活がしたい、いや、してもよい。そうして彼は、その空想の中の自分を、空想というよりも全部の思想、自分の全部のもの、つまりそのころは全くほかに思想というものがなかった。もう気持もなかった。今もってそのまゝ何も思想がないようなものだけれども、まったく当時は、もう祖国もなければ、戦争も勝敗もありはせぬ、文明も文化も、進歩もいらぬ、一つの電燈も、一本のハガキもいらぬ。原始の土民にしてくれるなら、そのまゝ、耕したり、猟をしたり、食って寝るだけで一生を終っていいと考えていた。