후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅうかんそうわ
清修館挿話
林 芙美子
林 芙美子의 清修館挿話(せいしゅうかんそうわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,062자 · 20화면
そうして、わけもなく感傷的になつて、その女中の掌を握つてやりました。
「おしげツ! おしげや、まあ、どこへ行つたんだろうね、のぼせ上つて……」
当てつけるようなお上さんの怒声が谷村さんの部屋まで聞えて来ます。すると間もなく、誰の悪戯か、谷村さんの部屋の釦が、けたゝましくリリ……と鳴り出しました。
「君はおしげつて云うのかい?」
「ハイ」
「いゝ名だね」
女は子供のように小さいシャックリを上げて泣いていました。肌が田舎の女らしくとても白々とさえ見えました。
谷村さんは、いじらしい彼女を、慰めてやろうと思つて髪の話を始めました。
「僕が越して来た時、朝の蜆汁の中へとても長い髪の毛がはいつていたンだよ。で、僕は、結局君だと思つて、あの朝、何気なく君の髪の毛を一本抜いたんだ。顕微鏡で調べようと思つてね」
「まあ……」
「ところが君じやなかつたンだ。安心したまえ、油は同じだつたけどね」
「え、おしのさんと一緒に安油をつかつていますが、……私の髪の毛をお抜きになつたのは、そんな、そんな事だつたのですか?」
太つちよの女は気の抜けた、野性そのまゝの表情で、谷村さんの顔をじつと見ています。