후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼうふううにおわったいちにち
清風荘事件 他8編
松本 泰
松本 泰의 清風荘事件 他8編(ぼうふううにおわったいちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,532자 · 43화면
鼠色の背広を着て、紺に白い水玉模様のついたネクタイをしていました」
と語った。
その言葉はいちいちわたしの記憶に符合している。死骸はすでに警察署へ運ばれたと聞いて、わたしはすぐ並山副領事へ電話をかけた。
それから三十分後に並山は自動車を飛ばしてきて、わたしを警察へ連れていってくれた。
予期していたとおり、その死骸はわたしが昨夜待ち設けていた青年であった。彼はもうひと息でわたしの宿へ着くというところまで来ていて殺されたのであった。
ポケットは全部裏返されて服のマークは剥ぎ取られ、身元を語るようなものはなにひとつ身についていなかった。
現場には帽子もなかったという。犯人が持ち去ったものか、それとも青年が家人の隙を窺って帽子も被らずに家を抜け出してわたしの宿に急いだものか。
昨日の午後、あんなにわたしに頼っていた青年、まるで弟が兄に縋るような瞳でわたしに呼びかけた青年が、冷たい死骸となって眼前に横たわっているの見て、わたしは自分の手落ちのように感じ、暗然として涙を呑んだ。わたしは青年の名を聞いていなかった。すべてを夜の九時に会って聞くことにしていたので、その哀れな青年が存在しているということ以外はなにひとつ知らなかった。