후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぼうふううにおわったいちにち
清風荘事件 他8編
松本 泰
松本 泰의 清風荘事件 他8編(ぼうふううにおわったいちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,532자 · 43화면
三十年も昔、伊東が中学生になったばかりのころ、同じ級で机を並べていた宝沢とはとくに気が合って、この二人はときには一緒に試験勉強などをすることもあったが、たいていの場合相棒で悪いことをするほうが多かった。宝沢は柄になく詩や歌を作ったり、いたずらに水彩画などを描いても器用で独創的なところがあった。伊東は対等には付き合っていたものの何かにつけて教えられることが多く、内心敬意を払っていた。伊東の家は官吏で、芝公園に住んでいた父親の出張がちな女ばかりの寂しい家に宝沢はたびたび遊びに来た。彼は愛宕下辺の伯父の家に寄食しているとばかりで、どういうわけかだれにも自分の住居を知らせなかった。伊東は彼を嬲るときに、よく、
「きみの家に遊びに行くぞ、行くぞ!」
と言うと宝沢は当惑して、いかなる場合でも無条件にへばってしまうのだが、ある時、とうとう宝沢の家が分かった。伯父の家というのは、愛宕下の薬師の裏通りのごたごたした新道にある射的屋であった。島田髷に結って白紛をべったり塗って店に坐っていたのが、宝沢の従妹に当たるお玉であった。
宝沢の家の筋向こうに、『万葉堂』という貸本屋があった。