일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면

아오조라 문고

けれども、こんな正隆の態度は、決して学生達を、長く鎮めてはいなかった。

三箇月も経たないうちに、正隆は、学生中の嫌われ者になり終せた。

たださえ彼の曖昧な、尊大振った、弱々しさに何かの物足りなさを抱いていた少年、或は青年達は、彼の不真実な挙動を見ると、もう黙ってはいない。彼の無能を罵る声や、彼の不熱心を訴える声が、教員室まで侵入して行き始めたのである。

そうなると、同僚の多くは、問題の主人公たる正隆に対して、何か不自然な、敬遠とも、嫌厭ともつかない表情で、相対するようにならずにはいない。

学生と同僚との、不安定な観察を身に感じる正隆は、心の中で、総ての人間共を侮蔑し、罵倒しながら、表面は平然と、蒼白い頬に冷笑的な薄笑いの皺を刻みながら、わざと、仮装した動じなさで、皆の、その眼前に姿を持ち出すのである。

全く、これは決して、正隆一人の不幸ではなかった。彼の周囲に生活して、程度の差こそあれ、多少とも彼と関係を持つ総ての者が、彼の気分の免れ得ない影響を受けた。

陰気な、外の人間の裡にある快活さや、率直さを一目で射殺すような正隆の眼を見ると、一人として、元の明快な気持を保っていることが出来なくなる。