일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면

아오조라 문고

る躊躇を感ぜずにはいられなかったのである。

よい家庭に育って、女性としての教育を当時としては出来るだけ与えられた信子夫人は、元より欠点というべきほどの欠点は何一つ持っていなかった。

総ての女性が、従順である通りに彼女は従順であった。謙遜であった。そして辛棒強くもあった。深い謹(つつしみ)と、尊敬とを持って、良人である彼の前に傅(かしず)いてくれる。時によると、無作法な彼が、思わず恐縮するほど、嗜の深い細心を持って生活を縫い取っているのである。

けれども正隆は時に、散歩などをしながら、ふと何かの機勢(はずみ)で、けれども――と思い出さずにはいられないような気分になることがある。それはどこまでも気分である。理窟からいえば、あれほど賢くふるまって、家を治める彼女に、それ以上の注文を出すのは、不親切だと思いながらも、なお、或る時に思わずにはいられない気分が、けれども――と遠慮深く呟きながら、或る不平を訴えるのである。

その不平は、何故、あれほど利口な信子でありながら、何故またあれほど熱がないだろう、という愁訴なのである。

今、ここで正隆は、かりに熱という言葉を使ってはいるが、それは実際、その本質に於て、熱と称すべきものなのかどうかは、分らなかった。