후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
こなんのおうぎ
湖南の扇
芥川 竜之介의 湖南の扇(こなんのおうぎ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,079자 · 19화면
それは長江を遡って来た僕には決して珍しい見ものではなかった。けれども亦格別見慣れたことを長江に感謝したい見ものでもなかった。
僕はだんだん苛立たしさを感じ、もう一度欄干によりかかりながら、やはり人波の去来する埠頭の前後を眺めまわした。そこには肝腎のBさんは勿論、日本人は一人も見当らなかった。しかし僕は桟橋の向うに、――枝のつまった葉柳の下に一人の支那美人を発見した。彼女は水色の夏衣裳の胸にメダルか何かをぶら下げた、如何にも子供らしい女だった。僕の目は或はそれだけでも彼女に惹かれたかも知れなかった。が、彼女はその上に高い甲板を見上げたまま、紅の濃い口もとに微笑を浮かべ、誰かに合い図でもするように半開きの扇をかざしていた。………
「おい、君。」
僕は驚いてふり返った。僕の後ろにはいつの間にか鼠色の大掛児を着た支那人が一人、顔中に愛嬌を漲らせていた。僕はちょっとこの支那人の誰であるかがわからなかった。けれども忽ち彼の顔に、――就中彼の薄い眉毛に旧友の一人を思い出した。
「やあ、君か。そうそう、君は湖南の産だったっけね。」
「うん、ここに開業している。」
譚永年は僕と同期に一高から東大の医科へはいった留学生中の才人だった。