후리가나로 읽는 일본 고전
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 湖畔亭事件(こはんていじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,335자 · 137화면
口実を設けて、友人の家へ泊り込み、主人公の居間へこの装置を施して、激情的な光景を隙見したこともあります。
それらの秘密観察の記録を記すだけでも、十分一篇の小説が出来上りそうに思われます。それはさて置き、前置きはこの位にして、いよいよ表題の物語りにお話を進めることに致しましょう。
それは今から五年前の、夏の初めのことでした。私はその頃神経衰弱症にかかっていまして、都の雑沓が物憂きまま家族の勧めに従い、避暑かたがた、H山中のA湖畔にある、湖畔亭という妙な名前の旅館へ、ひとりきりで、暫く滞在していたことがあります。避暑には少し早い時期なので、広い旅館がガランとして人気もなく、清々しい山気が、妙にうそ寒く感じられました。湖上の船遊びも、森林の跋渉も、慣れては一向面白くありません。といって都へ帰るのも何となく気が向かず、私は旅館の二階で、つまらない日々を送ったことであります。
そこで退屈の余りふと思い出したのが、例の覗き眼鏡のことでした。幸い癖になっているものですから、その道具はチャンとトランクの底にあります。さびしいとはいい条、旅館には数組の客がいますし、夏の用意に傭い入れた女中共も十人近くいるのです。