일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ためいきのへや

溜息の部屋

山本 周五郎

山本 周五郎의 溜息の部屋(ためいきのへや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,369자 · 15화면

아오조라 문고

「どうしたの、ぜんたいどうしたのよ、私は」

と云い続けていた。舞台ではとりの画が写され始めたが、沢木七郎は説明を早見俊平に任せて、八千代の傍から離れなかった。でぶの米八や安土竜太郎はもちろん、手の明けられるかぎりみんなが、八千代の廻りに集まった。医者の来る五分ばかり前に、八千代は二回めの大咯血を起し、失神した。

駈つけて来た医者はすぐにゲラチンを注射し氷嚢を肺部に当るよう、応急の処置をしてから、意識を回復した八千代に濃食塩水を飲ませつつきわめて愛相の良い表情で、慰安を与えた。

「かえってこう、最初に咯血のくるほうが、病状としては良好なのです。なに、半年も転地をして養生なされば、じきに恢復しますよ」

半年の養生。紫外線のじゅうぶんに含まれた日光と、清らかな空気と、豊富な滋養物と、安逸と。――八千代自身がうたえなくなった今、誰がそれらのものを与えようというのだ。

みんな暗然と声をのんだ。一瞬、冷凍室のように酷烈な沈黙がこの部屋を蔽ったとき、片隅で爺さんの吐く溜息の声がみんなの耳に聞えてきた、長いことこの部屋から忘れられていた爺さんの溜息が――。

医者が入院をすすめて去ると間もなく、ほとんど入違いにやって来た根来勇助は、集まっているみんなの顔を見ると、高く右手をあげながら、何ごとも知らぬ陽気な声で叫んだ。