후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ためいきのへや
溜息の部屋
山本 周五郎
山本 周五郎의 溜息の部屋(ためいきのへや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,369자 · 15화면
その楽屋は横に長い四坪ばかりの陰気な室だった。ながいこと塗替えをしない壁は、すでに所々に剥落していたし、それを隠すために貼付けた外国映画のポスタアは、いつも端の糊が乾き割れるので、ただ一つ並木街へ面して展いている小さな窓から、吹きこんでくる風に煽られては、ぱさぱさと人知れず音をたてていた。真中に炉を切って、冬になるとこれへ炭火を盛上げ、すっかり綿天鵞絨の磨切れている椅子をまわりへ置いて、みんな無遠慮に炉の上へ足を差出しながら煖をとった。
見習の早見俊平や、ピアノの粕壁大五郎や、コントラバスの米山八左衛門――彼はでぶの米八と略称されていた――や、さらによりしばしばファスト・ヴァイオリンの安土竜太郎などは、酒に夜を更して下宿へ帰れなくなると椅子をこの炉辺へ並べ、その上に外套を引掛けて朝までごろ寝をしたものである。でぶの米八とひと口に呼ばれている彼八左衛門が、ときによると終夜その椅子の上で眠らず、みじめに溢れ出る涙を抑えかねていたことなどはおそらく椅子の磨切れた綿天鵞絨のクッションの外には知る者もなかろう。
この灰色の壁に取囲まれた穴倉のような部屋の片隅に、爺さんと呼ばれて、その頃すでに七十に近い老人が、いつも溜息をつきながらしょんぼりと生きていた。