후리가나로 읽는 일본 고전
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
山本 周五郎의 滝口(たきぐち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 49,815자 · 99화면
と云って安宅はきまじめに頷いてみせた、「係の者にそう云っておこう、――じいさんの名はなんていうんだ」
「そののれんにあるとおりです」
安宅は振り向いて見た。紺木綿ののれんに白く「弥六」と染め抜いてあった。そしてまた老人のほうへ向き直った彼は、この土地の者かときいた。弥六は燗のついた徳利と、細長い湯呑をつけ台の上へ置きながら、そうだと答えた。酒はまさに熱燗だった。安宅は湯呑に注いで啜りながら、熱い酒の香にむせて咳こんだ。
「熱すぎましたかな」と老人は云った。やはり人をこばかにした顔つきで、唇のあたりに嘲るような微笑をうかべていた。
「燗にはやかましいらしいな」と安宅は穏やかに笑い返した、「勘弁してくれ、知らなかったんだ」
「酒は燗のぐあいで生きもし死にもします、むろん御存じでしょうがね」老人は次の徳利を銅壺へ入れながら、ぶあいそに云った、「私ああつ燗で飲むような酒は、昔っから置いたこたあねえんですよ」
「おそれいった」安宅はにこっと笑った、こんどはあいそよく眼を細めて、「なにしろこっちは、酒にはしろうとなんでね」
そして急に、安宅の顔がひき緊った。どういう連想作用かわからないが、弥六というその老人との短い問答のあいだに、おりうの本心をどうしたら突き止められるか、ということを思いついたのである。