후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぶんげいいいんはなにをするか
漱石文明論集
夏目 漱石의 漱石文明論集(ぶんげいいいんはなにをするか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,837자 · 70화면
一国の歴史は人間の歴史で、人間の歴史はあらゆる能力の活動を含んでいるのだから政治に軍事に宗教に経済に各方面にわたって一望したらどういう頼母しい回顧が出来ないとも限るまいが、とくに余に密接の関係ある部門、即ち文学だけでいうと、殆んど過去から得るインスピレーションの乏しきに苦しむという有様である。人は『源氏物語』や近松や西鶴を挙げてわれらの過去を飾るに足る天才の発揮と見認めるかも知れないが、余には到底そんな己惚は起せない。
余が現在の頭を支配し余が将来の仕事に影響するものは残念ながら、わが祖先のもたらした過去でなくって、かえって異人種の海の向うから持って来てくれた思想である。一日余は余の書斎に坐って、四方に並べてある書棚を見渡して、その中に詰まっている金文字の名前が悉く西洋語であるのに気が付いて驚いた事がある。今まではこの五彩の眩ゆいうちに身を置いて、少しは得意であったが、気が付いて見ると、これらは皆異国産の思想を青く綴じたり赤く綴じたりしたもののみである。単に所有という点からいえば聊か富という念も起るが、それは親の遺産を受け継いだ富ではなくって、他人の家へ養子に行って、知らぬものから得た財産である。