후리가나로 읽는 일본 고전
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,395자 · 263화면
僕は、いろいろに考えてみたんだが、どうやら、銀行に現われたのと、この三伝はちがうようじゃないか。ハハハハ、顔色を変えたって、もうどうにもなりゃしないぜ」
そう云って左枝は、血相の変ったお勢を、憫れむように眺めはじめた。ボウという汽笛、艙水の流れ、窓には靄をとおして港の灯が見える。
「最初から僕を悩ましたのは、なぜ兇行の都度に、柔皮花の香りが消えてしまうかということだ。僕はそれが、何かの中和現象じゃないかと考えたのよ。あの室に罩もっていて、覚られてはならぬ香りがあるのを……。オイ、遁げようたって、その抽斗に、何があるか僕にはちゃんと分っているんだ。ねえ女将、それを防ごうとして、君はあの室に柔皮花を持ち込んだんだ。あの香りは、エーテルと中和するからね。そこで、君の眼に入れたいものがあるんだが……」
と、衣袋の中から、小さな小指ほどの壜を取り出した。嗅ぐと、快い眩暈を感じてくる。
「これをあの部屋の、鍵穴の中から見つけたんだが、ねえ女将、君はこんな修行をどこで覚えてきたんだ。君は、鯨蝋をエーテルに混ぜて、この中に詰めて置いたね。そして息抜けを作って、鍵穴の中に隠しておいたのだ。