후리가나로 읽는 일본 고전
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,395자 · 263화면
そうして、刻々と血が失われてゆくような真蒼な顔をしながら儀右衛門はじっと闇の中に立ちつくしていた。が、そうしているうちに、ふと彼の心を訪れてきた仄白い光があった。と云うのは、直助権兵衛と書かれたその下には、その役の嵐村次郎の名が認められてあったからだ。
村次郎、村次郎が直助権兵衛では、お袖は――と、やにわに彼はその全文を拡げてしまった。そして今や、動かぬ証拠を、掴み上げてしまったのである。
直助権兵衛 嵐村次郎
お岩妹お袖 山下久米八
それは、綾にからまっている絆を、ようやく解きほどいたという感じだった。倦怠いような、銷沈いような、頭の血がすっと下ったという感じで、まるで夢見るような気持で、彼は手に持った二つの名を、ぼんやりと見詰めているのだ。
あの時里虹が、村次郎の名を見ただけで、キッパリと云い切った――というのも、また彼が、問わず語らずに暗示した不倫な関係も、ことごとく、二つの名のうちに秘められているのではないか。
村次郎と久米八は、明白に双生児であり、二人はそうとは知らず、直助とお袖が堕ち込んだ、鬼畜の道を辿りつつあるのだ。そう判ると、かすかな嫉妬を覚えたけれども、これまでの惨苦も懊悩も一時に消え失せて、残った白紙の眩ゆさには、何もかも忘れ果ててしまうのだった。