후리가나로 읽는 일본 고전
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면
不思議というより他はない。
その二月、私は貞子と山形の妻の故郷を訪れた。戦後のまだ交通の不便な時である。妻の妹の夫が荷馬車で送ってくれることになる。私と妻は荷馬車に乗り、毛布を敷いた上に向き合って坐る。妻は頭にマフラーをかぶっている。
「山形ジープで行ってけらっしゃい」
孫を負った義弟の父がそう言って笑う。義弟の母も、妻の妹も見送っている。義弟に綱を引かれ、やがて荷馬車は動き出した。
妻の故郷は蔵王山の一峰、竜山の山腹にある。道はいつか緩い勾配の坂道になり、荷馬車は緩くり登って行く。その年も暖冬で、地上に雪はなかったが、時時、大きな牡丹雪が、一頻り降り続く。やがて前方に、意外にも広大なスロープを持った、蔵王山麓の風景が展けて来る。貞子はその一点を指さして言う。
「ほら、あの木立の中に屋根が見えるでしょう。あれが私達の小学校、その左の上の方に森があるでしょう。あの中に私達の部落がありますのよ」
「そうか」
坂道は緩い傾斜で、道幅もかなり広い。義弟は黙黙と馬を引いて行く。単調な車輪の音が私の耳に響き続ける。しかし徐徐に、小学校の屋根の見える風景はその距離を縮めて行く。