후리가나로 읽는 일본 고전
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면
以前は、毎朝、カーテンを一杯に開いて、朝日が差し入っていたのに、この頃はすっかりカーテンも締め切って、ベッドも隅の方に寄せてしまってね」
「ほんとに、私にも覚えがあるけど、衰弱がひどくなると、外界の生生としたもの、溌剌としたものが、堪えられなくなってくるものなのよ」
妻が私に説明的に言う。
「その方は、社長さんかどうかは知りませんが、立派な紳士で、筋向いの個室に入っていられますのよ。喉頭癌のようですけれど」
「すると、お二人とも、もう大丈夫だと言えそうですね。こんなに生生溌剌たる桜の枝を担ぎ込んで来たのに、あんなに喜んでいただけたんですからね」
「そんなら、とにかく、そういうことにさせていただいておきましょう。ねえ、奥さん」
花井夫人はそう言って、かなり晴れやかな微笑を浮かべる。
妻は拡声器に呼ばれ、コバルトの治療に行く。私もその後に従う。妻を待つ間にゆっくり喫煙ができるからでもある。
「今朝ね、診察室でね、私、順番を待っていましたの。その前で、五十過ぎの男の方が診察を受けていましたが、その方の鼻には管が通してありましたの」
「食道でも悪いのだろうね」
「そうでしょうね。