일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면

아오조라 문고

殊に出棺のとき、妻の棺を瀧井さんに持っていただいたということは恐縮なことではあったが、私はなにか宿縁のようにも思われて、有難いことだった。

私は葬儀屋の若い人と、妻の棺を抱えて、玄関の方へ出て行った。そのとき、子供達は先きに火葬場の方へ行き、友人達は庭に立って、出棺を待っていてくれた。ただ三四人の人だけが、部屋に上って話していた。

「どなたか、ちょっと手貸して下さい」

玄関を下りようとして、葬儀屋の若い人が声をかけた。一人が直ぐ立ち上った。それが瀧井さんだったのだ。私は瀧井さんと、妻の棺を抱え、例の涙ぶくろが今にも音たてて脹れ上るようだった。

瀧井さんは私の作家としての目を開いて下さった先輩であった。私は妻を知った頃、瀧井さんの「無限抱擁」の一聯の作品を知ったのだ。私は「無限抱擁」から文学の養分を汲み取ると同時に、なにより生きる自信を与えられたとも言い得よう。生来頑な私の、妻への愛情が私は私なりに、こんなにも精一杯に開花出来たというのも、その自信のゆえではなかったろうか。若い日のことが思われた。

が、妻の棺は生前に妻が買物籠を提げ、古びた下駄を引きずって、日に何度行ききしたかと思われる横町を運ばれて、八百屋の角で霊柩車に乗せられた。