후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
永井 荷風의 濹東綺譚(ぼくとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,666자 · 114화면
窓の外は大衆である。即ち世間である。窓の内は一個人である。そしてこの両者の間には著しく相反目している何物もない。これは何に因るのであろう。お雪はまだ年が若い。まだ世間一般の感情を失わないからである。お雪は窓に坐っている間はその身を卑しいものとなして、別に隠している人格を胸の底に持っている。窓の外を通る人は其歩みを此路地に入るるや仮面をぬぎ矜負を去るからである。
わたくしは若い時から脂粉の巷に入り込み、今にその非を悟らない。或時は事情に捉われて、彼女達の望むがまま家に納れて箕帚を把らせたこともあったが、然しそれは皆失敗に終った。彼女達は一たび其境遇を替え、其身を卑しいものではないと思うようになれば、一変して教う可からざる懶婦となるか、然らざれば制御しがたい悍婦になってしまうからであった。
お雪はいつとはなく、わたくしの力に依って、境遇を一変させようと云う心を起している。懶婦か悍婦かになろうとしている。お雪の後半生をして懶婦たらしめず、悍婦たらしめず、真に幸福なる家庭の人たらしめるものは、失敗の経験にのみ富んでいるわたくしではなくして、前途に猶多くの歳月を持っている人でなければならない。