후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
永井 荷風의 濹東綺譚(ぼくとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,666자 · 114화면
」
一寸窮ったが、四五年前まで姑く関係のあった女の事を思出して、「三十一。明治三十九年七月十四日生丙午……。」
若し名前をきかれたら、自作の小説中にある女の名を言おうと思ったが、巡査は何にも云わず、外套や背広のかくしを上から押え、
「これは何だ。」
「パイプに眼鏡。」
「うむ。これは。」
「鑵詰。」
「これは、紙入だね。鳥渡出して見せたまえ。」
「金がはいって居ますよ。」
「いくら這入っている。」
「サア二三十円もありましょうかな。」
巡査は紙入を抜き出したが中は改めずに電話機の下に据えた卓子の上に置き、「その包は何だ。こっちへ這入ってほどいて見せたまえ。」
風呂敷包を解くと紙につつんだ麺麭と古雑誌まではよかったが、胴抜の艶しい長襦袢の片袖がだらりと下るや否や、巡査の態度と語調とは忽一変して、
「おい、妙なものを持っているな。」
「いや、ははははは。」とわたくしは笑い出した。
「これア女のきるもんだな。」巡査は長襦袢を指先に摘み上げて、燈火にかざしながら、わたくしの顔を睨み返して、「どこから持って来た。」
「古着屋から持って来た。」
「どうして持って来た。」
「金を出して買った。