후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとこおりのシャスタさん
火と氷のシャスタ山
小島 烏水
小島 烏水의 火と氷のシャスタ山(ひとこおりのシャスタさん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,333자 · 16화면
たところで、今では御伽話か、英雄譚の古い舞台になっている。かつて桑港の古本屋で見たその頃の石版画に、シャスタ火山が、虚空に抛げられた白炎のように、盛り上っている下を、二頭立ちの箱馬車が、のろくさと這いずって、箱の中には、旅の家族とおぼしい女交りの一連が、窮窟そうにギッシリ詰まっているが、屋根の上にはチョッキ一枚になって、シガアを燻らしている荒くれ男たちが、不行儀に、臀や脛をむき出しに、寝そべっているところを描いたのがあったが、延んびりとした大陸性の、高原に引く一筋路を、澄み切った大空の下に、おそらく、ガタピシと石ころに蹴つまずきながら、走って行く一台の馬車は、漂泊の姿そのもののように、一抹の旅愁を引くのに充分であった。
それは、カウボーイの土地である。未だ草分け時代の空気が、澱んでいる。石と打つかっても、林に這入っても、人と自然が肉迫するときのいきりが立っている。そのすべてを超越して、美しいものは、この山の隆々たる肉塊である。新火山のことだから、土の締まりは、しッくりしていない、むしろ危ッかしいほど、柔脆の肉つきではあるが、楽焼の陶器のような、粗朴な釉薬を、うッすり刷いた赤る味と、火力の衰えた痕のほてりを残して、内へ内へと熱を含むほど、外へ外へと迫って来る力が、十方無障碍に放射することを感ずる。