일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひにおわれて

火に追われて

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 火に追われて(ひにおわれて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,022자 · 10화면

아오조라 문고

銀座通りの焼けていることも聞いた。警視庁が燃えあがって、その火先が今や帝劇を襲おうとしていることも聞いた。

「しかしここらは無難で仕合せでした。殆ど被害がないといってもいいくらいです」と、どの人もいった。まったくわたしの附近では、家根瓦をふるい落された家があるくらいのことで、著るしい損害はないらしかった。わたしの家でも眼に立つほどの被害は見出されなかった。番町方面の煙はまだ消えなかったが、そのあいだに相当の距離があるのと、こっちが風上に位しているのとで、誰もさほどの危険を感じていなかった。それでもこの場合、個々に分れているのは心さびしいので、近所の人たちは私の門前を中心として、椅子や床几や花むしろを一つところに寄せあつめた。ある家からは茶やビスケットを持出して来た。ビールやサイダーの壜を運び出すのもあった。わたしの家からも梨を持出した。一種の路上茶話会がここに開かれて、諸家の見舞人が続々齎らしてくる各種の報告に耳をかたむけていた。そのあいだにも大地の震動はいくたびか繰返された。わたしは花むしろのうえに坐って、『地震加藤』の舞台を考えたりしていた。

こうしているうちに、日はまったく暮れ切って、電灯のつかない町は暗くなった。