후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとり
火の鳥
太宰 治의 火の鳥(ひのとり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,740자 · 76화면
「こうして、ひとりで呑んでは、少しずつ仕事をしているのだが、どうもいけない。どんな奴でも、僕より上手なような気がして、もう、だめだね、僕は。没落だよ。この仕事が、できあがらないことには、東京にも帰れないし、もう十日以上も、こんな山宿に立てこもって七転八苦、めもあてられぬ仕末さ。さっきね、女中からあなたの来ていることを聞いたんだ。呆然としたね。心臓が、ぴたと止ったね。夢では、ないか。」
テエブルのむこうにひっそり坐った小さいさちよの姿を、やさしく眺めて、
「僕は、ばかなことばかり言ってるね。それこそ歴史的だ。てれくさいんだよ。からだばかりわくわくして、どうにもならない。」ふと眼を落して、ビイルを、ひとりで注いで、ひとりで呑んだ。
「自信を、お持ちになっていいのよ。あたし、うれしいの。泣きたいくらい。」嘘は、なかった。
「わかる。わかる。」歴史的は、あわてて、「でも、よかった。くるしかったろうね。いいんだ、いいんだ。僕は、なんでも、ちゃんと知っている。みんな知っている。こんどの、あのことだって、僕は、ちっとも驚かなかった。いちどは、そこまで行くひとだ。そこをくぐり抜けなければ、いけないひとだ。