일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むげつものがたり

無月物語

久生 十蘭

久生 十蘭의 無月物語(むげつものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,485자 · 36화면

아오조라 문고

公子のほうは、平安季世の自信と自尊心を身につけた藤原一門の才女の典型で、膚の色は深く沈んで黛が黒々と際立ち、眼は淀まぬ色をたたえて従容と見ひらかれている。肥り肉の豊満な肉体で、花世の仏画的な感じと一種の対照をなしている。

いまの言葉でいえば、二人の罪は尊族殺の共同正犯というところで、直接に手に手こそ下さなかったが、野盗あがりの雑武士を使嗾して、花世にとっては親殺し、公子にとっては夫殺しの大業をなしとげたのである。当時の律でも尊族殺は死罪ときめられていたが、比類のない無残な境遇におかれていたこの不幸な娘が死刑にされるなどと、誰一人思ってもいなかった。

寛典に甘やかされた考えからではなく、妻と娘に殺された父にして夫なる当の泰文は、かねて放埓無頼の行ないが多く、極悪人といわざるも、不信心と不徳によって定評のある奇矯な人物で、名を聞くだけでも眉を顰めるものが少なくなかった。のみならず、その妻と娘に、現在の父、そうして夫である男を殺させるようにしたのには、徹頭徹尾、泰文のほうに非があるのであって、二人の女性は無理矢理におしつけられ、やむにやまれず非常の手段をとったものである。