후리가나로 읽는 일본 고전
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むほうもの
無法者
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 無法者(むほうもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,837자 · 24화면
彼はその社会的地位や交際の関係上、いろいろな会合に招かれることが多かった。といってもおのずから限界はあり、顔馴染はだいたいきまっていた。そういう会合の席で、彼はふしぎに婦人と隣り合せになった。そして初めの頃は、澄まして酒を飲んでいるが、少し酔いが廻ってくると、隣りの婦人へ話しかけ、やがて、内緒事らしくひそひそと囁くのだった。
「あなたは、フグを召上ったことありますか。」
ない、と返事をすれば、フグの美味についての講釈となるのだが、現代の婦人はたいてい一度や二度はフグを味ってるものだ。
「少しいただいたことありますけれど、なんだか、怖い気がしまして……。」
「あなたまで、そうですか。驚きましたね。僕は始終食べていますが、絶対に中毒するものではありませんよ。素人料理ならいざ知らず、料理屋のものは、毒素をすっかり抜いてあるから、あたろうにもあたりようはありません。フグは何をあがりましたか。」
「刺身と、ちり……でしたかしら。」
「なるほど、どこでもそうですね。刺身にちり。きまりきってます。ところが、僕の知ってる家では、特別にうまいものを食べさしてくれますよ。フグ茶ですがね。