일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면

아오조라 문고

」

祖父江出羽守は、激しく肩を揺すぶって、按摩をしていた若侍の手を振り切った。

そして、

「二階の娘か。」

と早口に呟いて、むっくり、敷蒲団の上に起き直った。

白絹に黒で紋を置いた紋付きを着流して、頭からすっぽりと、雪白の弥四郎頭巾を被り、眼だけ出している出羽守である。顔は見えない。

が、恐ろしく癇癖が強いに相違ない。膝に構えた両手が細かく顫えて、頭巾から窺いている鋭い眼も赤く濁っている。

「は。」

と、出羽守の肩に手をかけていた小姓風の若侍が、その手を引いて、背後に畏った。

広間にとぐろを巻いて、がやがや酔声を揚げていた浪人体の荒くれ武士たちも、今は、ひっそりと呼吸をのんで、この、部屋の隅に、四曲屏風を背に敷ぶとんに坐っている出羽守へいっせいに眼をあつめている。

阿弥陀沢の山の湯宿、藤屋の階下座敷、ちょうど梯子段の裏にあたって、七月とはいえ、山の夜気は膚寒いのに、ぱらりと障子を取り払った大一座だ。

七、八人の、人相風体のよくない一行――もう大分前からこの藤屋に泊り込んで、毎日毎晩、まるで、家が破裂するような騒ぎをつづけてきているので。――

山路主計、中之郷東馬、川島与七郎などという連中――身を持ち崩した田舎侍のような装りだが、皆これ出羽守お気に入りの家臣なので、こうして主君出羽の御微行の供をして、この猿の