후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
「大次郎さま、わたくしどうなることかと――それに、藤屋に、残っているお父さまの傷が気がかりで、肩を深く――。」
千浪が、気もそぞろに叫びながら文珠屋の手を離れて、大次郎のうしろに廻って立った。
「もはや大丈夫! これからすぐ藤屋へ引っかえしましょう。」
言いながら大次郎は、きっと、眼のまえの葛籠笠を覗き見て――山越えのやくざ者らしいがなぜ口をきかぬ?
「下らぬ真似を致すな。見逃してつかわす。果報に思え。」
言い捨てて、千浪を劬って立ち去ろうとすると、その大次郎の面前へ、文珠屋佐吉、すうっと脇差しを抜いて突き出した。
「おのれっ! やる気かっ!」
きものは一面に切り裂かれて、襤褸を下げたような大次郎、かっとなって、抜身の兼安を取り直そうとすると、途端に、かれの眼が相手のさし出している小刀の斬っ尖にとまった。
そこに、小さな刃こぼれが三つ並んでいるのは!――思い出す。
田万里の幼年時代に、佐助がこの刀で、森の立木を出羽守に見立て、めったやたらに斬り廻った時の疵あとだ。
「おお、江上――!」
思わず大次郎が叫んだ拍子に、そのわき差しをかざした文珠屋は、素早く、背後の沢へ身を躍らして――大次郎が駈け寄って、覗いた時、つづら笠と旅合羽は、傾斜に生えている木のあいだを、土煙りとともにずるずる踏みすべらして、谷底へいそいでい