후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
あみだ上りはみな葛籠笠、どれが様やら主じゃやら
で、杣しか通わなかった道に、湯治客の草鞋のあと繁く、今は、阿弥陀沢村の一戸にまあたらしい白木の看板が掲がって――御湯宿、藤屋。
内湯ではないから、客は、藤屋から山下駄をはいて、小みちづたいに、谷底の猿の湯まで下りるのである。
だが――。
文珠屋佐吉は、金創をもつ身体ではない。
桂の枝にぶら下がって、真下の猿の湯に千浪の裸体をさんざん眺めあきたかれ佐吉、ふたたびかるく枝をゆすぶって、元の小径へとんと跳びかえると、
「いい女だなあ。どうやら、山の娘っこじゃあねえらしいぜ。おいらの面さえ、こんな化けものでなかったら――。」
と心から口のなかで呟いたが、恐ろしいことに触れたようにぶるぶると口びるを鳴らして、かれはさっさと歩き出していた。葛籠笠の奥ふかく、にたり、にたりと蒼い微笑を洩らしながら。
谷について一町ばかり上ると、こんもりした森の向うに、小さな家の集団が見える。阿弥陀沢の部落である。なかに、庄屋づくりの白壁の家が、一軒しかない。旅籠藤屋なのだ。
ここへ泊るのだろうと思いのほか、文珠屋は、村の入口から道をかえて、不意に横へきれた。