후리가나로 읽는 일본 고전
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つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
山本 周五郎의 燕(つばくろ)(つばくろ(つばくろ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,395자 · 52화면
「佐藤又左衛門は歴代に比べる者のない名家老と、藩史に残る人物ではないか」
「賤民だな」と又左衛門は繰り返した、「――ありのままに云えば、事務のあやまちや、女や金のことで失敗し、または失敗しそうな友人たちに、自分の力でできる限りは助力した、生涯をともにする妻、ときめていた娘を、友人のために譲ったこともある、――心の中では、そうすればなにかが得られると思った、名声でも金でもない、ひとりの人間として、なにか慥かなものが得られると思った」
二つの茶碗に茶を注ぎ分けるあいだ、又左衛門は口をつぐんだ。茶碗の一つを梶本に渡し、自分も他の一つを持って、大事そうに啜ったが、その動作は機械的で、自分ではなにをしているか意識しないようにみえた。
「ところが、なにも得たものはない」と又左衛門は云った、「城代家老は村野と交代で、おれの才能が認められたのではないし、在職ちゅう治績をあげたといわれるが、これも同僚や部下にすぐれた人間がいて、実際にはかれらが働いて仕遂げたものだ、――それで藩史に比べる者のない名城代だって、嘲笑ならそう云われてもまだ人間らしいが、おれの場合は嘲笑さえも含まれてはいない