일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちち

父

矢田 津世子

矢田 津世子의 父(ちち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,168자 · 38화면

아오조라 문고

父と母の不和は従兄妹どうしだという血の近さからくるものが主であるらしかった。その不和が「家のために」というひとつの旧い習慣の下でぶすぶすと燻りつづけてきた。母のいるところでは父は黙りこんでいる。父の前で母は多くを語らない。父の身のまわりのことは紀久子がその代りをつとめるのが仕来りになっている。

父が家にいる間は母はリウマチを口実にして早くからやすむのがいつもの事であったが、母がやすんでしまうと茶の間には妙にくつろいだ気分が流れてひとしきり話がはずむのだった。居間で書きものをしていた父が時たま茶の欲しそうな顔をして、

「ばかに賑やかだね」と入って来ることがあった。珍らしく落雁をつまんだりしながら兄の馬鹿っ話につい笑いを洩すこともあったが、そんな時の屈託のなげな父の様子をみているとふだんの気難しい孤独な父の姿が哀しく迫ってきて、そのかげにちらつく眼をそばめた母の顔が意地の悪い冷いものに思われるのだった。

こうして茶の間の話がはずんでいたいつかの夜、果物か何かを取りに厨へ行きかかった紀久子は離れの廊下のところに立っている母に気付いて声をかけようとすると、うろたえて手でおし止めるような恰好をして母は厨へ入っていった。