일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ちちのかたみ

父の形見

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 父の形見(ちちのかたみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,879자 · 14화면

아오조라 문고

幾日も家にひきこもっていて、後頭部に鉛のかたまりでもはいってるかのような沈黙を守ってることがあったろう。ああいう時だ。然し父は自殺をしなかった。劇薬が手にはいらなかったからではない。薬剤の代りには、拳銃もあれば短刀もあった。或はそのための旅に出るだけの金も、工面すれば出来ない筈はなかった。然し父は死ななかった。何故か。自殺の決心を実行に移すだけの或る光ったものが不足していたからだ。

あの頃、父はひどく酒を飲んだ。放蕩もした。経済上の極端な行詰りを投げやりにした。精神も身体も弱り、寝つくほどではなかったが実際病気でもあった。希望をすっかり取失っていた。だがそれらのことは、ただ父の世界を陰鬱にするだけで、何等の光をも、絶望の光をも、齎しはしなかった。人は如何に悲惨のどん底に陥っても、何か或る一閃の光がなければ死ねるものではない。だから、自殺出来るものは、その実践に移る瞬間、幸福であるとも云える。

自殺も出来なかった不幸な父は、自殺の覚悟を最も固めている時に限って、庭の草木や石をいじりまわしていた。二十坪ばかりの取るに足らない庭だったが、数個の石と、数本の樹木と、小さな花壇があった。