후리가나로 읽는 일본 고전
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カラスキーしのゆうじょう
犂氏の友情
久生 十蘭
久生 十蘭의 犂氏の友情(カラスキーしのゆうじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,312자 · 27화면
先生は、こういう非常のときにも、学者らしい執着を忘れずに蒼褪めた顔をしながらいかにもそのひとらしく、こんな減らず口を叩く。
「なにしろ、わたしのような廉潔な老学徒を盗っとに誘おうというのですからねえ。発達的に言うと、たしかにこれは反省道徳が退歩しつつあるという顕著な実例になります」
「道徳のほうはどうでもいいが、それで、いったい、何を盗もうというんです」
先生は、また嫌な顔色になって、
「そのへんのことは、どうも、はっきりしないんですが、……大体において、サン・トノーレ街あたりの金持の屋敷へ押込むということになっているらしいんです」
「それで、あなたは、どういう役をつとめるんです」
先生は、臆病そうな眼ざしでチラとこちらを見上げて、
「窓を壊すほうはゴイゴロフという、わたしを誘ったやつがやるんですが、最初に這い込むほうの役は、わたしに振り当ててあるらしいのです」
これは、たいへんなことになった。
勅任官。文学博士。勲五等。五十七歳。身長一米五五。猪首で猫背で、丸まっちい、子供のような顔をしたこの小男の石亭先生が、泥棒に尻を押されて、露台の窓から、不器用な恰好で這い込んでゆくようすときたら! 劇的とでも言いましょうか、それこそ、まさに天下の奇趣である。