일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

犬田 卯의 犬田卯短編集 一(こぶ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,259자 · 96화면

아오조라 문고

「時に――」村長は笑いを止めて、村議の一人が注いで出す酒を見向きもせず、「別に今日は議案はあるめえ。――俺はもう出かけなくちゃならん……」

そして時計を見た。

「なんだね、今日は……」

「例の、それ、陳情さ――また、畜生、東京行だ。毎日々々、いやんなっちまう。」

のっしのっしと瘤をゆさぶって村長は出かけてしまった。J沿線の町村長がこの地方の中心小都市M市までの鉄道の電化を運動していたのは一昨年からのことで、それがようやく実現しそうな気運になっていたのである。

「陳情づらだねえからな」とひとりの村議が役場の門を出てゆく村長をちらりと見ると笑った。

「でも、あの顔で陳情されたら、たいがいの大臣、次官も参っちまアべ。」

「気勢だけでか。」

「さてト、俺もそれではこれから陳情に出かけるかな、これ、顔はちっとも利かねえが。」

「俺も陳情だ――催促の来ねえうちあすこからよ。」

二人、三人と、みんなそれぞれ出かけてしまって、残ったものは酒をやりながら下らない雑談であり、将棋の見物である。

二日目の村会には誰一人姿を見せず、三日目には四五人集まって、やはり、雑談と酒、それから内務省へ行って帰った村長から、陳情団員の笑話など聞かされてそれでお終いであった。