일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면

아오조라 문고

た。ところでこの道楽で易など見ているんだと自称するまだ若い卜筮師は、「これは庭先か門口に落したんで、落してから五分以内に、極く近所の始終出入りしている三十がらみの女の手に入っている」というのであった。お通ははっと思ったが、自分の家へ夜昼なしにやってくる隣家のお信お母さんを疑いたくはなかった。もっとも自分が蟇口を落した日以来、そのお信お母さんは、どうしたのかまだ姿を見せないでいるのだが……それにしても、呼べば応える眼と鼻の間に住んでいるその家の人に、そんな疑いがどうしてかけられよう。彼女は第一、失くした自分がうっかりぽんだったのだ、と諦めることに決心した。自分がやはり抜け作なんだ。そしてその晩また、彼女は殆んど泣き明かした。金が出て来ないことよりは(もうそんなもの欲しくはなかった)やはり自分が抜けているという自意識が、悔しさが、たまらなかったのだ。

「どこかの井戸へでも入って死んでしまってやる……」

暁方から沼向うの町で花火が上り出した。S川堤の桜が満開になって、花見の客をよぶそれは合図なのであった。

兄貴の和一が昨夜おそいと思ったら、顔など剃ってひどくのっぺりとなり、「今日は午後からだんぜん花見だい……」