후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
、たまに鼠にさえ見限られた古家の雨戸を繰っている姿を見ても、単なる網膜の一刺激にも値しなくなってしまった。
二十年の月日が経過した。ある日、旅先から古い故郷の家居へたどりついた彼女は、見るかげもなく痩せ衰えて、雨戸を開け、座敷へ這い上るのもやっとのくらいだった。誰一人訪れるものもない家、ひっそりと静まりかえって、晩秋の淋しい陽射しに、庭前の雑草の花のみがいたずらに咲きほこっている草葺家の中に、彼女はひとり閉じこもったきり、うんともすんとも音を立てなかった。
そして約半月が経過した。誰もいないと思っている彼女の閉めきられた家から、突如として一つの呼び声が洩れはじめた。
「誰か来てくろよ。苦しいよ、あ、苦しいよ、誰か来てくろよ。」
人生における、そしてこの社会における孤独と自由の破産――実際、彼女の死顔を見たものは、痛苦の本質そのものに面接したようにぞっとしたという。
自然人
お寺の門のところにどっかと胡座をかいた、微動だもせぬ、木像の安置せられたような彼――いかなる名匠の鑿をもってしても、かかる座像を彫ることは不可能に相違ない。それは生きている、生存しつつある木像なのだ。