후리가나로 읽는 일본 고전
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 猫と庄造と二人のおんな(ねことしょうぞうとふたりのおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,020자 · 131화면
それで暇を貰う時にもクロはコック場へ置いて来てしまったが、仔猫の方は手放すのが惜しくて、行李と一緒に或る商店のリヤカーの隅へ積んで貰って、蘆屋の家へ運んだのであった。
肉屋の主人の話だと、英吉利人はこう云う毛並みの猫のことを鼈甲猫と云うそうであるが、茶色の全身に鮮明な黒の斑点が行き亙っていて、つやつやと光っているところは、成る程研いた鼈甲の表面に似ている。何にしても庄造は、今日までこんな毛並みの立派な、愛らしい猫を飼ったことがなかった。ぜんたい欧洲種の猫は、肩の線が日本猫のように怒っていないので、撫で肩の美人を見るような、すっきりとした、イキな感じがするのである。顔も日本種の猫だと一般に寸が長くって、眼の下あたりに凹みがあったり、頬の骨が飛び出ていたりするけれども、リリーの顔は丈が短かく詰まっていて、ちょうど蛤を倒まにした形の、カッキリとした輪郭の中に、すぐれて大きな美しい金眼と、神経質にヒクヒク蠢めく鼻が附いていた。だが庄造がこの仔猫に惹き附けられたのは、そう云う毛なみや顔だちや体つきのためではなかった。もしも外形だけで云うなら、庄造だってもっと美しい波斯猫だの暹羅猫だのを知っているが、でもこのリリーは性質が実に愛らしかった。