후리가나로 읽는 일본 고전
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さるがしま
猿ヶ島
太宰 治의 猿ヶ島(さるがしま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,768자 · 12화면
ああ。戦慄が私の背を走る。朝日を受けて金色にかがやく断崖を一匹の猿がのそのそと降りて来るのだ。私のからだの中でそれまで眠らされていたものが、いちどにきらっと光り出した。
「降りて来い。枝を折ったのはおれだ。」
「それは、おれの木だ。」
崖を降りつくした彼は、そう答えて滝口のほうへ歩いて来た。私は身構えた。彼はまぶしそうに額へたくさんの皺をよせて、私の姿をじろじろ眺め、やがて、まっ白い歯をむきだして笑った。笑いは私をいらだたせた。
「おかしいか。」
「おかしい。」彼は言った。「海を渡って来たろう。」
「うん。」私は滝口からもくもく湧いて出る波の模様を眺めながらうなずいた。せま苦しい箱の中で過したながい旅路を回想したのである。
「なんだか知れぬが、おおきい海を。」
「うん。」また、うなずいてやった。
「やっぱり、おれと同じだ。」
彼はそう呟き、滝口の水を掬って飲んだ。いつの間にか、私たちは並んで坐っていたのである。
「ふるさとが同じなのさ。一目、見ると判る。おれたちの国のものは、みんな耳が光っているのだよ。」
彼は私の耳を強くつまみあげた。私は怒って、彼のそのいたずらした右手をひっ掻いてやった。