후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,583자 · 240화면
寿の家はすばらしいものよ。わたしは物置小舎と思って通りすぎました。そんな家、豆ランプです。八、六、二。障子が六枚しかなく、六枚分は文字どおりのコモ垂れです。障子に新聞がはってあります。その二畳も畳なしのゴザ。畳一枚もなし、床にカーペットをしいています。テーブル、ピアノ本棚。テーブルの上では寿が靴下つくろいをはじめ(今よ)わたしがこれをかき、マジョリカの灰皿、九谷の皿という組合わせ。趣味において貴族、形はコモ垂れ。それでも一晩で休まったことはおどろくべき位です。この間うちから過労で右腕が変になって苦しかったのにきょうはさして苦になりません。よしきりが頻りに鳴いて居ります。麦畑の中にまだら牛が二匹います。妙な牛っぽくない鳴きようをいたします。豆の花がこの破屋のぐるりに蝶のような花を開いて居ります。
五月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 千葉県長者町より(封緘はがき)〕
五月十日
ここでも警報はあります。遠い半鐘の二点鐘です。チジョチャンと呼んで、小さい頬ぺたの丸い男の子がよちよちと訪問して来ます。チイ公というダックハウンドの雑種のような大きい耳の茶色の犬も居ります、久しぶりでのんびりしてこんなものをおめにかけます。