후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
千枝太郎は即座に承知した。
「委細心得ました。仰せの通りに仕まつりまする」
彼は立派に受け合って師匠の前を退がった。一度の祈祷を仕損じても、さらに二度の祈祷を心がける師匠の強い決心に、千枝太郎は感激した。もう一つには、数ある弟子たちのうちでこの大切の使いを自分に頼まれたということが、彼に取っては一生の面目のようにも思われた。たとい信西入道がなんと言おうとも、かならず取りすがってこの役目を果たして来なければならないと、彼ははりつめた心持で夜の来るのを待っていた。
都の寺でらの鐘が戌の刻(午後八時)を告げるのを待ち侘びて、千枝太郎は土御門の屋敷を忍んで出ると、八月九日の月は霜を置いたように彼の袖を白く照らした。
「千枝太郎どの。千枝ま」
柳のかげから女の声がきこえた。それは彼が信西入道の屋敷の前まで行き着いた時であった。その声には確かに聞き覚えがあるので、彼は大地に釘づけになったように一旦は立ちすくんだが、聞かない顔をして一生懸命に歩き出そうとすると、その直衣の袂はいつか白い手に掴まれていた。
「千枝太郎どの、なぜ逃げる。つれない人じゃ」
「いや、わしは急ぎの用がある」