후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
千枝太郎の夢もさめた。夜があけると、彼は急に胸苦しくなって、湯も米も喉へは通らないように思われた。しかしきょうは大事の日であるので、彼は努めて早く起きて、ほかの弟子たちと一緒にきょうの祈祷の仕度に取りかかった。謹慎の身である泰親が、白昼の京の町を押し歩くということは憚りがあるので、彼は頼長から差し廻された牛車に乗って、四方のすだれを垂れて忍びやかに屋敷を出た。ほかの弟子たちは笠を深くしてそのあとについて行った。
頼長の指図をうけて、源氏の侍どもはかの森のまわりを厳重に取り囲んでいた。そのなかには三浦介義明も木蘭地の直垂に紺糸の下腹巻をして、中黒藤の弓を持って控えていた。三浦の党は上洛以来きょうが初めての勤めであるので、彼も家来どもも勇気が満ちていた。千枝太郎に折らせた新しい烏帽子の緒を固く引きしめて、小源二も大きい長巻を引きそばめていた。
この物々しい警固のなかを分けて、泰親の群れは昼でも薄暗い森の奥へはいった。邪魔になる立ち木は武士どもに伐り倒されて、そこには祈祷の壇が築かれた。陰った秋の空は低くたれて、森には鳥一羽の鳴く声もきこえなかった。
壇に登ったのは河原の祈祷とおなじように四人であった。