후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
雷震はおらぬか。煙りのなかへ駈け入って早く妖魔を誅戮せよ」
かの大まさかりを掻い込んで、雷震はどこからか現われた。彼はどよめいている唐人どもを掻き退けて、兜の上に降りかかる火の粉の雨をくぐりながら、台の上へまっしぐらに駈けあがって行った。老人は気づかわしそうに台をみあげた。千枝松も手に汗を握って同じく高い空を仰いでいると、台の上からは幾すじの黄色い煙りが大きい龍のようにのたうって流れ出した。その煙りのなかから、藻に似た女の顔が白くかがやいて見えた。
「射よ」と老人は鞭をあげて指図した。
無数の征矢は煙りを目がけて飛んだ。女は下界をみおろして冷笑うように、高く高く宙を舞って行った。千枝松はおそろしかった。それと同時に、言い知れない悲しさが胸に迫ってきて、彼は思わず声をあげて泣いた。
不思議な夢はこれで醒めた。
あくる朝になっても千枝松は寝床を離れることが出来なかった。ゆうべ不思議な夢におそわれたせいか、彼は悪寒がして頭が痛んだ。叔父や叔母は夜露にあたって冷えたのであろうと言った。叔母は薬を煎じてくれた。千枝松はその薬湯をすすったばかりで、粥も喉には通らなかった。