후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
その頃の女のたしなみとして、行綱は娘にも和歌を教えた。しかしそれが当代の殿上人を驚かすほどの名誉の歌人になっていようとは夢にも知らなかった。彼は驚いてまた喜んだ。彼は父に無断で大納言の屋形に推参した娘の大胆を叱るよりも、それほどの才女を我が子にもったという親の誇りに満ちていた。
「折角のお召し、身に余ってかたじけのうはござりますけれど……」
言いかけて彼はすこしためらった。貧と病いとに呪われている彼は、関白殿下の御前にわが子を差し出すほどの準備がなかった。いかに磨かぬ珠だといっても、この寒空にむかって肌薄な萌黄地の小振袖一重で差し出すのは、自分の恥ばかりでない、貴人に対して礼儀を欠いているという懸念もあった。使者もそれを察していた。清治は殿よりの下され物だといって、美しい染め絹の大振袖ひとかさねを行綱の前に置いた。
「重々の御恩、お礼の申し上げようもござりませぬ」
行綱はその賜わり物を押し頂いて喜んだ。使者に急き立てられて、藻はすぐに身仕度をした。門の柿の木の下には清治の供が二人控えていた。いたずら者の大鴉もきょうは少し様子が違うと思ったのか、紅い柿の実を遠く眺めているばかりで迂闊に近寄って来なかった。