후리가나로 읽는 일본 고전
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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
坂口 安吾의 現代忍術伝(げんだいにんじゅつでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,446자 · 155화면
もう、こんな話は、よしましょうね。お父さんが退院して、元気が恢復してから、笑い話に思い出を語り合う時がきますわ。それまでは、何を思いだしても、いけませんのよ。あなた、ツル子さんに、お礼、仰有ってちょうだい。私たちの一家を助けて下さったのです。あなたを救いだして、重役にして下さったのも、このお嬢さんですよ」
菊松には何が何やらワケが分らなかった。しかし、現実を素直に受けいれるだけの、妙にスガスガしい落付きがあった。戦争以来、見失っていたスガスガしい気持だ。たしかに、なにかが、全快したに相違ない。
「そうですか。どうも、ボクには、よく分らないが、巷談社の社長の方は、天草商事の方ですかな」
「イイエ。サルトル・サスケさん」
「サルトル・サスケ? 雲隠才蔵とちがいますか」
「イイエ。天草商事に関係のない方です」
菊松の記憶にはないワケだ。サルトルに会った時は、もう狂って、マニ教の座敷牢にいたのだから。
「その方が、どうしてボクを重役にして下さったのでしょう?」
ツル子は真ッ赤になってうつむいたが、ようやく、気をとり直した。
「サルトルさんは、私のフィアンセです」
「ツル子さんも、巷談社の重役ですのよ。