후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
岡本 かの子의 生々流転(しょうじょうるてん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 297,521자 · 586화면
わたしの父はわたしに「何でも日本一になれ」という自分の理想を満足させられそうな希望を幾分見出し、近いうちに自分の踊り方の名跡を継がし、自分の目がねに叶う妻を宛がって、自分の名を担って日本一の幇間になって貰おうと思っていた。自分の目がねに叶うという妻は少くとも芸人の妻として四方八面へ自在に応酬して、所帯持ちもよく、その上親孝行の嫁に外ならなかった。それを他人の家の猫を借りて来たような変哲もない芸妓を貰い込んでしまったので、わたしに対する熱意は薄らいだが、なお悴に日本一になって貰う事には未練がある。
師匠はまた師匠で自分の名跡を継がし、自分の理想する内容の立派な幇間を仕立上げようと企んでいた。わたしは師匠の方針によって私立大学だけは卒業し、この点インテリ芸人として花柳界の他の幇間は足元にも及ぶものはない。しかし師匠はなお慾を持っている。それはいくらインテリ幇間でも、たゞ幇間では高が知れている。この現代に於て元禄の其角、英一蝶を見るほどの風流達道の幇間を自分の後嗣者の上に見たい。つまり真の芸術家としての幇間をわたしの上に望みかけた。彼に言わせると、其角も一蝶も俳人や画人であると共に幇間でもあった。